Designer: permin of copenhagen
Fabric: Permin(Wichelt) 40ct Natural Brown Undyed
Threads: NPIS - color#852, #227
283W×333H, 1over2

このアンティーク復刻サンプラーに惹かれてステッチを始めました。
今も変わらず愛着を感じているデザインです。
ある程度上達してから刺そうと決めていました。
ステッチャーになって3年目、2008年に刺し初めて同年に完成。
完成年とイニシャルを、最下部の中央にover1で刺しました。
Vierlande復刻サンプラー1作目。

オリジナルはドイツのCelle(ツェレ)にある刺繍博物館、
Das Deutsche Stickmuster-Museum (The German Sampler Museum)に展示されています。
博物館のオーナー、Connemanご夫妻の素晴らしい個人コレクションの1つです。
2006年秋に博物館を訪れ、本物を鑑賞する機会に恵まれました。

=材料&糸の色=
permin(ペルミン)の指定は、32ctリネン布とDMCのコットン糸。
DMC色番号は、#939(濃紺)&#3685(濃赤)。
よりオリジナルに近づけたく思い、40ctリネンとシルク糸の組み合わせに変更しています。
オリジナルは16本/1cm(40ct相当)のリネン布にシルク糸でステッチされているそうです。

オリジナル本来のメインカラーは黒糸。それに赤糸が少々。
200年近くを経て色が褪せたため、黒が紺系の色にも見えるようです。
黒か紺かの選択、好みとアンティーク感を優先して紺にしました。
濃紺は、眺めていて気持ちが落ち着きます。
また、いくらでも刺せそうな気がする色でもあります。

=総ステッチ数&糸の量=
総ステッチ数は、約37,800目足らず(*)。その内、赤は約470目。
過去に私自分が知りたかった情報なので、参考として記します。
1目ずつ数えたわけではないです。理由はそのうち。
糸を購入する段階で、どれだけ必要になるのか非常に悩んだ憶えがあります。
保守的に見積もって、Hank(45m)2束を準備しました。
 #852 / Hank1束と3.5mを消費。
 #227 / 通常の1束(5m)で充分。余りが出ました。
Hankにした理由は、ロット違いで色に差が出てしまうリスクを避けるためです。
また、Hankで購入すると通常サイズの1束(5m)に比べてメートル当たりの単価が安くなります。
*:クロスの数のみ。BSは除く。誤差は約1%


ステッチ中に撮っていた写真。

心残りは、チャートに問題がありオリジナルとは少し違いが出てしまったこと。
特に残念だと感じたのは、小さなアルファベットのT。
オリジナルとは形が違っていて、修正しようにも隣り合うモチーフとの間に
必要な空白を取ることができず、迷った末に場所を移して刺しました。
正しい位置は、右端中央辺りにあるUの右上になります。

チャートのエラーは他にもありました。
ステッチ中、チャートと交互にオリジナルの写真を眺めていたので、
刺す前にエラーを数十ヶ所ほど見つけて修正しました。
完璧を求めるつもりはありませんが、よりベターでありたいと願っています。
ステッチした後でエラーに気付き、そのままにしている部分もあります。
気付いていない部分もあるでしょう。
今、このサンプラーに再挑戦しています。その話はまた後日に。

最後に、ステッチ用語のメモを記します。
今では当たり前のように使っている用語を、個人的に振り返る目的を兼ねて。
+++
【ct】count カウント。布1インチ(約2.54cm)当たりの織り糸本数。
フランスやドイツでは1センチ当たりの単位で考えている様子なのに、
なぜか同じメートル表記国ニッポンではctが優勢のような気がします。
この理由、アメリカやイギリスの商品流通が多いからでしょうか。
今でこそ馴染んでいますが、単位換算は初心者泣かせだと思います。

【NPIS】Needlepoint Inc.社のシルク糸。
省略表記には、他にNPI, NPS, NIS等あるようです。
私がNPISと書くのは、初めにそう憶えこんでしまったため。

【DMC】Dollfus-Mieg et Compagnie (ドルフュス・ミエッグ&カンパニー)
通常の呼び名はディー・エム・シー。
フランスの刺繍糸メーカー。糸のほか、刺繍関連製品も生産。
正式名称、今まで知りませんでした。知名度が気になります。

【over1】over one / 布の織り目を1つまたいでクロスステッチすること。
一般に、リネン布へクロスステッチをする場合はover2。
また、1over1, 2over1のようにoverのに数字が付く場合は、何本取りかを示します。
over1はデザインを小さく刺すための、マイナーな布の使い方だと思っています。

【BS】back stitch バックステッチ。=本返し縫い