途すがら

クロスステッチの記録帳。

Vierlande sampler について

Vierlande & Vierlande sampler (2/2) クロスステッチ・サンプラーを観察

何となく知っているつもりだったVierlande sampler。
集めた資料に目を通して、考えをまとめる機会を持ちたいと思っていました。
整頓した結果、ネットや書籍などで見ることのできたアンティークの作品数は56。
リプロダクション(復刻)しか見られなかった作品は2つ。合わせて58作品になりました。
モノクロ写真でしか確認できなかった作品、刺繍糸が劣化して一部が欠けている作品、
未完成の作品など、色々あります。

-はじめに- 
いま私が58作のサンプラーと資料から、Vierlande samplerをどう見ているのか綴りました。
全体の傾向をなるべく客観的に捉えるために、「多い・少ない」に替えて作品の数を出しました。
また、必要に応じて、情報の裏付けになる出典やリンクなどを添えています。
1記事にしているため、ボリュームがあります。
Vierlande samplerに興味を持たれた方への参考になれば幸いです。
なお、モチーフの意味については観察から外れますので、参考誌の紹介にとどめています。

=Vierlande sampler=
アンティーク・クロスステッチ・サンプラーの一種。
フィアランデの少女達が、地域共同体に伝わるモチーフやアルファベットなどを刺繍した布。
モチーフや文字の見本(サンプル)を集める目的と、ステッチの練習を兼ねていたと考えられる。
(現存しているアンティークの、クッションカバー・衣装・葬儀に使われる布などには、
 サンプラーに見られるモチーフと同じものがステッチされている。)
また、新たに作られるサンプラーの見本にもなっていたと思われる。

以下、項目を7つに分けています。
Index
 【1】デザインの概略
 【2】素材、色
 【3】ステッチの種類
 【4】モチーフの種類
 【5】年代
 【6】アルファベット
 【7】フルネームと省略名
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Vierlande & Vierlande sampler (1/2) クロスステッチ・サンプラーの背景

Vierlandeのアンティーク・クロスステッチ・サンプラーに関心があり、Vierlandeについてまとめました。
断片的なメモや資料を整頓して、自分自身の理解を深めるために書いています。
先ずは、周辺予備知識から。サンプラーの話は次回になります。

 できる限り正確に書くよう努めていますが、私の勘違いや理解不足もあると思います。
 情報を得られる資料は、ドイツ語や英語がほとんどなのに対して、
 私の英語力は心もとなく、さらに肝心のドイツ語はてんで頼りにならないレベルです。
 手持ちの資料を満足に読みこなせていません。
 読まれる際は、こういった諸事情を心に留めていただければと思います。

=Vierlande(フィアランデ)=
ドイツの地域名。Hamburg(ハンブルク)の東南を占めるBergedorf(ベルゲドルフ)区内に位置する。
昔も今も農作物の栽培が盛んな地域。エルベ川沿い。
歴史上、統治者の入れ替わりが何度かあり、特にサンプラーが盛んにステッチされた時代には、
ハンブルクとLubeck(リューベック)の共同統治下にあった。
ハンブルク単独の統治下になったのは1868年。
  参考⇒ドイツ語Wikipedia "Vierlande"の項目へ
Index
・名前の由来
・人々の暮らしと仕事 (1830年頃)
・Vierlande 簡易単語帳

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